Harry Potter and the Philosopher's Stone
Chapter 4 [00:15:14] "Well just Harry, did you ever make something happen? Anything you couldn't explain when you were angry or scared? " (Hagrid)
scared: 怯えた、怖がる、怖がってdid you ever make anything happen?
「いままで何か不思議なことを起こしたことはないかい?」
anything は次のセンテンスで説明をしている anything you couldn’t explain (自分で説明のできないこと) です。
make は「使役の動詞」です。「何か」 (anything) が「起きる」 (happen) ようにさせるということですが、細かく説明をするとややこしくて却ってわかりにくくなりますよね。冒頭の訳の通り、「何かを起こす」です。
happen
ここで特に説明をしておきたいのは happen の /p/ です。/p/ は上下の唇を閉じて息の圧をかけてからそれをポンッと放して弾ける音を出す破裂音でしたね。
たまたまハグリッドの顔のアップのシーンなのでよくわかるのですが、ハグリッドの唇は開きません。破裂音なのにも関わらず閉じたままです。
/p/ は唇を閉じて圧をかけていますが、そのためには実は鼻から空気が漏れていかないように鼻に抜ける空気の通り道も閉じています。
happen の /p/ は唇ではなく鼻に抜ける通り道をポンッと放して弾ける音を出しています。「鼻腔破裂」といいます。
/hæ/ を発音した後で唇を閉じ、そして鼻から「フンッ」と勢い良く息を抜くような感じです。最初はうまくできないかもしれません。喋るために口やその周りの筋肉をどのように動かすかなど普段は考えたこともなく、まして鼻に抜ける空気の通り道を「よし、開けよう。」とか「今度は閉じよう。」とか意識的にコントロールすることはないので当然のことです。でも、自転車に乗るようなもので、一度できてしまえばあとは簡単です。スキップができない人はいても、英語を母国語とする人でこれができない人はいませんから、きっと、そんなに難しくはないはずです。練習をしましょう。
「鼻腔破裂」、実は、よく使うのです。唇ではなく舌と歯茎で閉鎖を作る時、要するに /tn/、/dn/ の場合だとcotton、eaten、kitten、ridden、sudden、written などはみな、/t/、/d/ のために舌と歯茎で空気の通り道を塞ぎ、舌は歯茎につけたまま鼻から「フンッ」と息を抜いてそのまま /n/ を発音してしまいます。
/k/、/g/ の場合も bacon、Oregon などは「鼻腔破裂」を使います。
そろそろ英語のリズムと音の連結には慣れてきたのではないでしょうか。
この文章は /dɪdjəevəˈmeɪkenɪθɪŋˈhæpn/ です。
Anything you couldn’t explain when you were angry or scared?
「なにか自分で説明できないこと。怒ったときとか…怖いときとか。」
この文章もリズムと音の連結を意識すれば聞き取ることができるのではないかと思います。
/enɪθɪŋjuˈkʊdnteksˈpleɪnwenjəwəˈængrɪ ɔˈskeəd/