Harry Potter and the Philosopher's Stone
Chapter 1 [00:01:13] "I should have known that you would be here, Professor McGonagall." (Professor Albus Dumbledore)
should have 過去分詞: 〜するべきだった
「should + have + 過去分詞」は「〜しておけばよかった」、すなわち、やらなかったことをちょっと後悔する気持ちを表します。
最初から大変に難しい文法の文章が出てきてしまいました。でも、「あの時、もっと英語を勉強しておけばよかった。」とか、よく使う言い回しですよね。覚えてしまいましょう。
直訳をすると、「あなた来るだろうということを (that you would be here) 私は知っているべきだった (I should have known)。」ということでしょうか。
ダンブルドア先生が「知る (know)」のは過去のことですが、その時からするとマクゴナガル先生が「来る (be here)」のは未来のことなのでその前に would が入っています。
こんな大事な場面にマクゴナガル先生が来ないわけがないよね、来るに決まっているのだから、何もこそこそと一人で来ることもなかったという気持ちなのだと思います。
最初なのでいろいろなことを説明しなければなりません。大変に長くなりますが、辛抱して読んでください。
発音記号を書くときのお約束
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I
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should
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have
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known
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that
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you
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would
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be
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here,
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professor
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McGonagall.
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/
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aɪ
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ʃəd
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həv
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ˈnoʊn
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ðət
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jə
|
wəd
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bɪ
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ˈhɪə
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prəˈfesə
|
məkˈgoʊnəgəl.
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/
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この文章を発音記号で書くと上のようになります。
次の 2 つのことは「このサイトで私が発音記号を書くときはこうしますよ。」というお約束です。
1. 発音記号 (正確には「音素記号」ですが) は「/」と「/」で挟みます。「/」と「/」で挟んであればそれは発音記号であることを表します。
2. 「ˈ」は「強勢」を表します。「ˈ」に続く音節は強く発音をします。
発音記号というのは大体は決まっているのですが、実は細かいところではバリエーションがたくさんあります。
ちなみに、私の使っている辞書では「強勢」は母音の上に「ˈ」を置いて /nóʊn/ (known) や /híə/ (here) のように表しています。私は強勢を表すために音節の前に「ˈ」を置いていますが、それは /ó/ や /í/ はキーボードから直接入力することができないからです。発音記号はただでさえキーボードから直接入力することができない文字が多いので、なるべくそれを減らしたいだけです。
みなさんが使っている辞書や参考書では違う発音記号を使っているかもしれません。
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Chapter 1 [00:01:28] "Good evening, Professor Dumbledore." (Professor McGonagall)
2つ目の文章は3小節で、1小節目は “evening” の部分に強勢が置かれています。
┃
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Good ˈevening,
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┃
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Proˈfessor
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┃
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ˈDumbledore.
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┃
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名詞の前にそれを修飾する形容詞を置いた場合、普通はそれは一つの塊として1小節に収められ、強勢は後ろの名詞に置かれます。
「青いペン」 “blue ˈpen” は普通は名詞に強勢がおかれ 「ブルペーン」 ですが、「黒でなくて青がほしいんだ。」という文脈で “Do you have a blue pen?” というときは 「ブルー ペーン」 と “blue” にも強勢が置かれます。
「黒い鳥」は普通は “black ˈbird” で強勢は後ろの “bird” に置いて「ブラッバード」のように発音します。
一方、ビートルズはそのアルバム「ザ・ビートルズ」で収録した曲 “ˈblack ˈbird” で “black” に強勢を置いて「ブラッバード」のように歌っています。ここでは “ˈblack bird” は形容詞+名詞ではありません。複合名詞であり、そういう種類の鳥のことです。
Good evening (/gʊdˈivnɪŋ/)
2つの単語が1小節にまとめられて「グディーヴェネンク゜」のように聞こえるでしょう。
“eveneing” の /i/ と /ɪ/ をきちんと区別してください。/i/ は唇を横に引き、/ɪ/ は「イ」と「エ」の中間の音です。
/ŋ/ は口の奥の方で口へ流れる息を止める「ン」です。そしてわずかにですが口の奥の閉鎖を解く「ク゜」と言う音が聞こえるように私には思えます。
Professor (/prəˈfesə/)
(”Professor” についてはこちらを読んでください。)
Dumbledore (/ˈdəmbəldɔ/)
/ɔ/
/ɔ/ は「オ」と「ア」の中間くらいの音です。
/oʊ/ は「オウ」と唇を丸めて閉じるイメージだったのに対し、/ɔ/ は逆に「オア」と口を開くようなイメージが近いです。
“boat” (/boʊt/) は唇を丸めて行きますが、”bought” (/bɔt/) は「ボアト」と開くイメージです。
“Dumbledore” の最後の /ɔ/ は「オ」と「ア」の中間の音、「オア」とやや開くように練習をしてください。
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Chapter 1 [00:01:33] "Are the rumors true, Albus?" (Professor McGonagall)
rumor: うわさ
3つ目の文章も3小節です。
┃
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Are the ˈrumors
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┃
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ˈtrue,
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┃
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ˈAlbus?
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┃
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Are the rumors (/əðəˈruməz/)
/u/ と /ʊ/
/u/ と /ʊ/ の関係は /i/ と /ɪ/ の関係に似ています。
“food” の /u/ は長母音、“foot” の /ʊ/ は短母音と言われますが、音の長さ以上に音の質そのものの違いを意識しましょう。/u/ では舌の位置はより高く、唇はより前につきだします。お互いの比較になりますが、/ʊ/ は /u/ よりはやや「オ」の近い音になります。
これまでに /oʊ/ を練習してきましたが、”rumors” はそれよりももっと舌の特に後方を高くして唇を突き出すようにしてください。
リズム的には「アザルーマズ」です。
true (/tru/)
/tr/
ここで注意をしなければならないのは /tr/ です。
英語を母国語とする人にとってはおそらく /t/ と /r/ の2つの子音なのですが、我々日本人にとっては /tr/ という一つの子音と捉えたほうが良いでしょう。
次に来る /r/ につられて /t/ を発音するときの舌の位置はかなり後ろに移動します。「チュ」と言うときより舌は更に少し後ろの位置で「チュル」と言う感じです。続く母音が /u/ ですから、唇を突き出すことを忘れないでください。
Albus (/ælbəs/)
/æ/
英語の /e/ は日本語の「エ」よりも舌の位置が下がり口は開かれます。
/æ/ はそれよりも更に舌の位置を下げ、口を開いた音になります。
「エ」と「ア」の間の音と表現されることがありますが、日本語の「ア」は「イ」「エ」と比べると舌が後ろに移動します。
/æ/ を発音する時は舌先は前の位置をキープすることを意識すると良いでしょう。
発音するのは難しくありませんが、日本語にはない音なので聞いたときに「ア」に分類してしまう傾向があります。英語ではよく出てくる音なので、いつも正しく発音する練習をして/æ/ という音素を脳に作ることが重要でしょう。
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Chapter 1 [00:01:36] "I’m afraid so, professor. The good and the bad. " (Professor Albus Dumbledore)
次の分は6小節です。通常 ”I’m” は強く言わないので “I’m aˈfraid” で一つのかたまりになることが多いですが、ここではダンブルドア先生は ”I’m afraid so” を三拍子で発音しています。
┃
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ˈI’m
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┃
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aˈfraid
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┃
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ˈso,
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┃
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Proˈfessor.
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┃
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The ˈgood
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┃
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and the ˈbad.
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┃
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/
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ˈəɪm
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əˈfreɪd
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ˈsoʊ
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prəˈfesə
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ðəˈgʊd
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əndðəˈbæd
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/
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最後の小節の “and” の /d/ は破裂させません。しかも、次の /ð/ につられて /nd/ から歯茎ではなく舌を噛んだ位置で発音をしています。
この文は今まで練習してきたことを組み合わせれば難しくないはずです。
“afraid” の /eɪ/ の部分は日本語の「エイ」よりも舌の位置が下がります。やや「アエ」に近く発音すると良いでしょう。
“good” の /ʊ/ は唇を突き出しますが、やや「オ」に近い音です。”bad” の /æ/ は「エ」と「ア」の中間の音、舌を前方にキープしてください。
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Chapter 1 [00:01:41] "And the boy?" (Professor McGonagall)
マクゴナガル先生は “And the boy?” を /ənðəbɔɪ/ のように話しています。
“and” は意味的に重要な単語ではないので強勢を置かないことが多いです。最後の /d/ を発音せずに /ən/ になったり、更に省略して /n/ だけになることもあります。
ここでは /ən/ と省略しています。そして /n/ は次の /ð/ につられて舌と歯茎ではなく舌と歯で閉塞を作っています。
“boy” の /ɔ/ は日本語の「オ」よりは口を開き、やや「ア」に近い音です。
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Chapter 1 [00:01:42] "Hagrid is bringing him." (Professor Albus Dumbledore)
2小節で発音しています。
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Hagrid
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┃
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is bringing him.
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┃
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/
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ˈhægrɪd
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ɪzˈbrɪŋɪŋɪm
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/
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それほど長い文章ではありませんが、「ハグリッド イズ ブリンギング ヒム」というリズムが頭の中にあると追いついていけなくなるかもしれません。
英語はあまり区切りを設けず、肺から外に向かう息の流れを常に止めずに話す傾向があるため、まず、そのリズムに慣れましょう。
感覚的には「ヘグリデズブレンケ゜ンケ゜ム」といったイメージです。このリズムに慣れ、喉を開いて息を止めずに一気に喋る練習をしましょう。
一つ一つの音はすでに説明をしたものばかりです。“Hagrid” には強勢があるので最初の /h/ は口の奥で摩擦させる音を出してください。そして、次の母音 /æ/ は舌を前の位置にキープして「エ」と「ア」の中間の音を出します。
残りの母音はすべて /ɪ/ です。/b/ と /m/ は唇を閉じなければなりませんが、それ以外は「イ」と「エ」の間の音で、腹話術のようにあまり口を動かさないようにして一気に喋りましょう。
“bring” の /r/ は前の /b/ を発音するために口を閉じたときに舌の位置を準備してしまってください。「ベング」と言うリズムで
/b/ を破裂させて空気が唇の外に流れ出すときには /r/ のための細い通り道を通るようにします。
“him” は強勢がないのでこの /h/ はかなり曖昧になっています。
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Chapter 1 [00:01:44] "Do you think it wise to trust Hagrid with something so important as this?
" (Professor McGonagall)
“Do you think it wise” の “it” は “to trust Hagrid with something so imporat as this” のことです。
「『こんなに重要なことをハグリッドに任せること』が賢いことなのかしら?」とマクゴナガル先生は思っています。
強勢は5箇所に置いて5小節で発音をしています。
┃
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Do you think it ˈwise
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┃
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to ˈtrust
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┃
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ˈHagrid
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┃
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with ˈsomething
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so ˈimportant as this?
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/
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dujuθɪŋkɪtˈwaɪz
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təˈtrəstˈhægrɪdwɪzˈsəmθɪŋsoʊɪmˈpɔtəntəzðɪs
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/
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第1小節の “Do you think it ˈwise” の後でマクゴナガル先生は小休止を置いていますが、一方でその後ろを一気に続けて喋っています。そのため、後半が長くて付いていけなく感じるかもしれません。
でも、マクゴナガル先生はそれほど速く話しているわけではなく、リズムに慣れてしまえばそれほど難しくはないと思います。
いつも通りにあくまで感覚的ですが 「ドゥユセンケテズワイズ」、「トゥチュラスタハグリドゥウィズサムセンソイムポタンタズディス」 といった感じでしょうか。
個々の音については今まで説明してきたことに注意して練習をしてください。
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Chapter 1 [00:01:49] "Ah, Professor, I would trust Hagrid with my life. " (Professor Albus Dumbledore)
with one's life: 命にかけて
最初の “Ah, Professor,” の部分を除くと4小節になります。
┃
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I ˈwould
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┃
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ˈtrust
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┃
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ˈHagrid
|
┃
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with my ˈlife
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/
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aɪ ˈwʊd
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ˈtrəst
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|
ˈhægrɪd
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wɪð maɪ ˈlaɪf
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/
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普通、”would” には強勢を置かないことが多いのですがここでは強勢を置いています。
この “would” はダンブルドア先生の「意思」を表しています。「自分はハグリッドのことを信頼しているんだ。」ということを強調するために強く発音をしています。
“life”
“life” の /l/ は “McGonagall” や “Dumbledore” の /l/ とは異なる2つ目のバリエーションの /l/ です。
まず、これらはどのように違うのでしょう?
“McGonagall” の /l/ では舌は低い位置から歯茎に向かって反り返らせ、「アル」と言うように発音をしました。
“life” の /l/ は舌は平のまま、口の奥から前に向かって舌先を歯茎に押し付けます。舌の両横に空気の通り道を作り、そこから空気が流れるようにします。舌を平らな形にするために、唇は横に引いて奥歯の表面を見せるようは気持ちで発音をするとやりやすいです。
次に、どのようにこれらを使い分けたらよいのでしょうか?
大雑把は分け方になりますが、子音の前や語の最後では舌を反り返した /l/ になります。
一方、母音の前では舌を平らにした /l/ を使います。
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/l/ の位置
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舌を反り返した /l/
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子音の前、語の最後
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McGonagall, bell, pool, milk, film
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舌が平らな /l/
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母音の前
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life, lean, look, long, million
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母音でも “long” の /ɔ/ のように舌の奥が下がる母音の前では舌が反り返った /l/ になることがあり、特にアメリカの英語ではその傾向が強いです。
大雑把に舌が反り返ったものと平らなものに /l/ を分類しましたがそれらは両極で、状況に応じて両方の中間のバリエーションが無限にあります。
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Chapter 1 [00:02:10] "Professor Dumbledore, sir. Professor McGonagall." (Hagrid)
sir
/ɚ/
sir をハグリッドは /sɚ/ のように発音をしています。
/ɚ/ の代わりに /ər/ と表している辞書があるかもしれません。しかし、これは /ə/ の次に /r/ を発音するわけではありません。表し方は /ɚ/ であれ /ər/ であれ、音声は /ə/ とも /r/ とも異なるものです。
/ɚ/ は日本語にはない音です。舌は宙に浮いた状態でその位置と形を調整しながらこの音が出るように練習をしなければなりません。DVDと自分の声を聴き比べながら /ɚ/ の音が出る位置を探してください。
舌先は /r/ の位置、すなわち、「チュ」という音を出す口の形から口を開いて舌は歯茎から離してやや下に落としたところです。
この時、舌の後ろの方は下がっていて舌先に向かって反り上がっていると思います。その舌の後ろの方を持ち上げて舌を平らにすると /ɚ/ になります。舌の両横のヘリを奥歯に触れるようにすると良いかもしれません。
/ɚ/ と /ə/
bird, certain, driver, early, were, worry など /ɚ/ は発生する頻度の非常に高い音声です。
ただし、それは「アメリカ英語」の場合です。自分はアメリカ人の英語をモデルにしたいと思うなら、/ɚ/ をきれいに発音できるように練習しましょう。
英語は世界中で使われている言語で地域ごとのバリエーションや方言がたくさんあります。それぞれに優劣があるわけではありませんが、英語を勉強するときはどれでも構わないので手本にするバリエーションを最初に一つ決めて、それに習うのが良いでしょう。
我々は外国人ですので、結果的にいろいろな方言が混ざってしまっても、たとえどの方言にもない自己流英語になってしまってもそれは構わないと私は思っています。どんな英語であっても使わないよりは使えたほうが良いです。
一方で、英語の音声を日本語の枠組みで理解しようとするよりはスタンダードになる英語の枠組みを自分の脳の中に作ったほうが音声による英語のコミュニケーションをしていく上では役に立つとおもいます。それが「アメリカ英語」であっても「イギリス英語」であっても他でも構わないのですが、実際に使われている言葉をモデルにしたほうが聞き取る方も伝える方もコミュニケーションは容易になるはずです。
「イギリス英語」では /ɚ/ の代わりに /ə/ を使います。「イギリス英語」では /ɚ/ は使いません。
「ハリー・ポッター」はイギリスが舞台の物語なので、登場人物のほとんどは「イギリス英語」を喋ります。ダンブルドア先生もマクゴナガル先生も Professor を /prəfesɚ/ ではなく /prəfesə/ と発音しています。
ハグリッドはアメリカ英語を話しているわけではありません。ハグリッドには訛があり、結果として /sɚ/ のような発音になってしまっています。
「イギリス」と言った場合は普通は「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国」を指しますが、この範囲で話している英語が「イギリス英語」というわけではありません。
日本語にもいろいろな方言があるように、「イギリス」で使われている英語にもいろいろなバリエーションがあるだろうことは容易に想像がつきます。
「イギリス英語」といった場合は普通はイングランドの南の方で使われている RP (Received Pronuciatin) と呼ばれる英語のことを指します。NHK のアナウンサーが話す日本語を「標準語」と呼び、東京近郊で使われる日本語を標準と考えるようなものです。
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Chapter 1 [00:02:14] "No problems I trust, Hagrid?" (Professor Albus Dumbledore)
┃
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ˈNo
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┃
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ˈproblems
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┃
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I ˈtrust,
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┃
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ˈHagrid.
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/
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ˈnoʊ
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ˈprɒblemz
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aɪ ˈtrəst
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ˈhægrɪd
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/
|
ここであえて説明が必要なものがあるとすると “problems” の発音です。
/ɒ/
/ɒ/ は /ɔ/ よりも更に口を開き舌の位置を下げた音です。
日本語では「プロブレム」ですが、「オ」よりはほとんど「ア」に近い音になります。
日本語の「ア」と比べると舌の奥のほうをもっと下に下げ、その結果、喉が開いた形になります。
“Bob”、”body”、”boss”、”Boston”、”box” などカタカナにもなって「オ」段で表現されているものがたくさんありますが、多くは /ɒ/ つまり「ア」段に近い音です。
”problems”
リズム的には「パベムズ」と言う感覚です。
/r/ と /l/ はその前の音、すなわちそれぞれ /p/ と /b/ を発音するために唇を閉じたときに舌の位置を準備してしまい、破裂させて唇から外に流れる出る息を使って発音してしまいます。
/p/ は破裂させた後、少しの時間、空気が外に流れる時間を作ってから声帯を震えさせはじめ (つまり、声を出し始め)、舌を /r/ の位置から /ɒ/ の位置に移動させます。
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Chapter 1 [00:02:16] "No, sir. Little tyke fell asleep just as we were flying over Bristol. Try not to wake him. There you go. " (Hagrid)
tyke: こども
Little tyke fell asleep just as we were flying over Bristol.
「ブリストルの上空を飛んでいる時」(just as we were flying over Bristol)、「この子は寝ちゃいました」 (Little tyke fell asleep)。
この文章で強勢が置かれているのは “tyke”、”fell”、”asleep”、”flying”、”Bristol” の5つの単語です。
┃
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Little ˈtyke
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┃
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ˈfell
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┃
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asˈleep
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┃
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just as we were ˈflying
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over ˈBristol.
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┃
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/
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lɪtlˈtaɪk
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ˈfel
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əˈslip
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dʒəstəzwiwəˈflaɪŋ
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oʊvəˈbrɪstl
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/
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リズムは「レトルタエ(ク)フェラスリ(プ)ジャスタズウィワフラエンコ゜バブレストル」のような感じです。
little
ここで説明するのは /tl/ の部分で「側面破裂」という技です。
/t/ は舌先で破裂をさせるイメージがありますが、/l/ の前では舌の左右両方の横側で破裂をさせます。
/t/ のために舌を歯茎につけてプレッシャをかけたところから、舌先は歯茎につけたまま舌を反り返した /l/ の形を作ります。/t/ から /l/ の形を作るときに舌の両側が歯茎から離れて空気の通り道ができますが、このときに舌の左右の横側で /t/ の破裂する音を出します。
Bristol の /tl/ も同じ要領です。
tyke
「パ」行、「タ」行、「カ」行の子音は無声音、「バ」行、「ダ」行、「ガ」行の子音は有声音という分類をしますが、英語では日本語の無声音に相当する子音を「強音」、有声音に相当する子音を「弱音」と分類することがよくあります。「強音」は文字通りエネルギーの強い音だからです。
/p/ もそうでしたが /t/ も破裂をさせた後、次の母音が現れるまでの間に空気が流れる時間を作ります。声帯が震えているかそうでいないかというよりも、この空気の流れる時間の有無のほうが /t/ と /d/ の区別には大切です。[thaɪk] (「タハイク」) というようになります。
fell
/f/ は上の前歯と下唇で摩擦をさせる音です。日本語にはない音ですが出すこと自体はそれほど難しくはないと思います。「フ」のように上下の唇ではなく、無意識に上の歯と下唇を使ってしまうようにクセをつけるのには多少時間がかかるかもしれません。
これも「強音」です。/f/ の音を十分に響かせた後で /el/ と言うようにしましょう。英語と日本語の違いなのですが、英語の「強音」は日本語のいわゆる「無声子音」よりもかなり強く発音されます。日本人は意識して強く発音をしなければなりません。
flying の /f/ も同じです。/f/ の音を十分に響かせた後で /laɪŋ/ と言いましょう。
Try not to wake him.
強勢は “try”、”not”、”wake” の3箇所です。
┃
|
ˈTry
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┃
|
ˈnot
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┃
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toˈwake him
|
┃
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/
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ˈtraɪ
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ˈnɒt
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təˈweɪkhɪm
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/
|
not は強勢を置く単語です。not は必ず強く発音するようにしましょう。
There you go.
「はい、どうぞ。」
人に物を渡すときの決まり文句です。ほかに ”Here you go.” など同じように使われるものがいくつかあります。人に何か手渡すような状況になったとき、黙って差し出すだけなのも無愛想なので、ぜひ、”There you go.” と言ってください。
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Chapter 1 [00:02:33] "Albus, do you really think it’s safe, leaving him with these people? I’ve watched them all day. They are the worst sort of Muggles imaginable. They really are." (Professor McGonagall)
Do you really think it’s safe, leaving him with these people?
“it’s safe” の “it” は “leaving him with these people” のことです。
マクゴナガル先生はダンブルドア先生に「彼 (ハリー) をこんなに人たちのところに預けてしまうこと (leaving him with these people) が大丈夫だと (is safe) 本当に思っているの? (Do you really think)」と尋ねています。
ここでマクゴナガル先生が言っている these people、them、they は全てハリー・ポッターの伯父と伯母であるバーノン・ダーズリーとペチュニア・ダーズリーのことです。Chapter 2 ですぐにわかるでしょう。
ここではマクゴナガル先生は全体的にゆっくりと話してくれています。強勢は really、think、safe、leaving、people の5箇所ですが、leaving の前で小休止を入れています。
┃
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Do you ˈreally
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┃
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ˈthink
|
┃
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it’s ˈsafe
|
┃
|
ˈleaving him
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┃
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with these ˈpeople?
|
┃
|
/
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dəjəˈrɪəlɪˈθɪŋkɪtsˈseɪf
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ˈlivɪŋɪhmwɪððizˈpipl
|
/
|
前半部分のリズムは「ドゥユリアリセンケツエイフ」という感じです。
really は頭の中では「リアリ」というよりは「リリ」と思っていたほうが英語らしく発音できるのではないでしょうか。後ろの「リ」は舌が反った l なので、この形を作るために舌の位置を一旦下げます。このときに弱く「ア」が入ってしまうような感じです。
特に“think it’s safe” の部分ですが喉を閉めて息を止めることがないよう、一気につなげて話すようにしてください。
後半部分は「リヴェン匕ムウィジズピポウ」のような感じです。特に leaving him と with these はつながるように注意をしてください。
I’ve watched them all day.
「あの人たちのこと、一日中見ていたの。」
強勢は watched と day の2箇所です。
┃
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I’ve ˈwatched them
|
┃
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all ˈday.
|
┃
|
/
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aɪvˈwɒtʃtðəm
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ɔlˈdeɪ
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/
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They are the worst sort of Muggles imaginable. They really are.
Muggle は魔法を使うことのできない種族、ようするに魔法使いから見た人間のことです。ハリー・ポッターシリーズの作者である J.K.ローリング が作り出した造語です。
Muggle には魔法使いから見て人間のことを見下して軽蔑したニュアンスが含まれています。その Muggle の中で思いつくかぎりでもバーノンとペチュニアは最低だ、本当に酷いんだとマクゴナガル先生は言っています。
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Chapter 1 [00:02:43] "The only family he has." (Professor Albus Dumbledore)
┃
|
The ˈonly
|
┃
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ˈfamily
|
┃
|
he ˈhas.
|
┃
|
/
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ðəˈoʊnlɪ
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ˈfæməlɪ
|
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hɪˈhæz
|
/
|
強勢は only、family、has の3箇所です。
ダンブルドア先生が強調をしたいので only には強勢が置かれています。「最低だけれども、ハリーに残された家族はダーズリー家しかないんだ。」
family、has は内容語なので普通に強勢が置かます。has はここでは「持っている」という動詞です。現在完了形を作るときや
has to (〜しなければならない) のように助動詞として使うときには強勢を置きませんが、動詞として使うときは内容語なので強勢を置きます。
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Chapter 1 [00:02:46] "This boy will be famous. There won’t be a child in our world who doesn’t know his name. " (Professor McGonagall)
This boy will be famous.
┃
|
This ˈboy
|
┃
|
will beˈfamous.
|
┃
|
/
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ðɪsˈbɔɪ
|
|
wɪlbɪˈfeɪməs
|
/
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「この子は将来有名になります。」
強勢は boy と famous の2箇所です。
英語のリズムには大分慣れてきましたか?
「デェスボエウェルべフェイマス」です。
There won’t be a child in our world who doesn’t know his name.
who doesn’t know his name は child の説明を追加する文で、child who doesn’t know his name で「ハリーの名前を知らない子」です。文章全体では「ハリーの名前を知らない子は我々の世界 (魔法使いの世界) にはいなくなる。」つまり、「魔法使いの世界では子供にだってハリーの名前は誰にでも知れ渡るようになる。」という意味です。
┃
|
There ˈwon’t be
|
┃
|
a ˈchild
|
┃
|
in our world
|
┃
|
who ˈdoesn’t
|
┃
|
ˈknow
|
┃
|
his ˈname
|
┃
|
/
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ðeəˈwoʊntbɪəˈtʃaɪldɪnaʊəˈwəld
|
|
huˈdəzntˈnoʊˈhɪzˈneɪm
|
/
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動詞、名詞は内容語なので自然と強勢が置かれます。
これに加えて not も強勢は置かれます。not はそれだけ重要な言葉なのです。ここでは doesn’t、won’t も強勢が置かれます。
リズムは「ゼアウォンべアチャエルデェナワールドゥダズンノウヘズネイム」という感じです。
won’t be の部分、/t/ と /b/ は破裂音が連続するので前の /t/ は破裂させません。
child と次に in はくっついてしまって「チャエルデェン」のようになり、更に次の our は強勢がないので「ア」のようになってこれもつながり、結局、「チャエルデェナワールド」のようになります。
また、who は関係代名詞で機能語なので強勢はなく、/hu/ の /h/ は無くなってしまっています。doesn’t の /t/ の次は know の /n/ で両方とも歯茎と舌で閉塞を作ります。このため、/t/ は横着をして破裂する部分は省略してしまっています。
まとめると、この部分は「チャエルデェナワールドゥダズンノウヘズネイム」のようになります。
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Chapter 1 [00:02:52] "Exactly. He is far better off growing up away from all of that until he is ready." (Professor Albus Dumbledore)
Exactly.
/tl/ の部分は側面破裂を使ってください。
He is far better off growing up away from all of that until he is ready.
この文章は、「その時が来るまでは」 (until he is ready) 「これら (魔法に関すること) 全てから遠ざかって育つことが」 (growing up away from all of that) 「ハリーにとってはずっと都合がいい」(he is far better off) ということです。
better の /t/ はダンブルドア先生は歯茎を舌で叩くようにして発音をしていて「ラ」のように聞こえるはずです。
growing up away の特に up と away の部分はつながって「アッパウェイ」のようになります。
all of that の of はほとんどの場合は強勢は置かない単語なのですが、強勢がないときは頻繁に /f/ が省略されて /ə/ になってしまいます。ここでもダンブルドア先生は「オーラザッ」のように発音をしています。
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Chapter 1 [00:03:13] "There, there, Hagrid. It’s not really good bye after all. " (Professor Albus Dumbledore)
There, there は泣いてしまったハグリッドをなだめる表現で、「おい、おい、泣くな」くらいの意味でしかありません。
「ハグリッド、そうはいってもこれが今生の別れというわけではないんだ。」
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Chapter 32 [02:23:20] "Oh, listen, Harry, if that dolt of cousin of yours, Dudley, gives you any grief, you could always, um, threaten him with a nice pair of ears to go with the tail of his. " (Hagrid)
dolt: バカgrief: 厄介、面倒
if that dolt of cousin of yours, Dudley, gives you any grief
dolt は「バカ、間抜け」です。of cousin は that dolt を修飾して of yours は cousin を修飾します。that dolt of cousin on yours は「お前のいとこのあのバカ」です。
give 〜 grief は「〜に面倒をかける」です。なので、この部分は「お前のいとこのあのバカのダドリーがもしもお前に面倒をかけたら」になります。未来のことについて「もしもこうなったら」という場合は現在形 (仮定法現在) を使います。
you could always threaten him with a nice pair of ears to go with the tail of his.
could は「〜しても良い」という表現で、can に比べると丁寧な印象を与えます。you could always threaten him は「ヤツを脅しても構わない」です。
with a nice pair of ears の with は「〜を使って」です。耳は2つなので a pair of で、皮肉を込めて nice (かっこいい) と言っています。to go with the tail of his は「ヤツの尻尾に似合う」です。ダドリーに尻尾があるわけありませんが、体型からいってブタの尻尾です。それに似合うかっこいい耳なので、「ヤツの耳をブタの耳に変えて脅してやれ」ということになります。
threaten (/θretn/) の最後の /tn/ は鼻腔破裂を使います。/t/ のために舌先を歯茎に付けたら離さずに息を鼻にフンと抜くことで破裂音を出し、そのまま /n/ を発音します。
最後に tail (/teɪl/) の発音です。強くゆっくりと発音をしているのでよりはっきりとしていますが、/t/ の発音に気をつけてください。強音の破裂音では破裂をさせてから声帯を振動させて母音を発音するまでの間に空気が口の外の向かって流れる時間を作らなければなりません。/t/ はポンと破裂する音を響かせるとともに、「テヘイル」のような感じで発音をします。
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Chapter 32 [02:23:17] "Go on, on with you. On with you, now. On with you." (Hagrid)
go on with は仕事など続けることです。
ハリーは列車に乗ろうとしていましたがハグリッドを見つけて別れを言いに来ます。一通り挨拶が済んだので、もとに戻って「列車に乗れ、さあ行け」ということになります。
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Chapter 31 [02:18:08] "Another year has gone. And now, as I understand it, the house cup needs awarding and the points stand thus. " (Professor Albus Dumbledore)
stand: ある状態にある
stand は「〜の状態である」ということを示すことがあります。ここでは「得点はこういうふうに (thus) なっている。」です。
数値の表現を伴って得点の他にも高さや温度、物価などが「〜である」ということを表すのにも使います。
He stands six feet. (彼は身長が6フィートある。)
The thermometer stands at 38 degrees C. (温度計が38度を指している。)
The gross national debt stands at 55 billion dollars. (国債の総額が 550億ドルにのぼる。)
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Chapter 30 [02:16:57] "Ah, Bertie Bott's Every Flavor Beans. I was most unfortunate in my youth to come across a vomit flavored one. And since then I'm afraid I've lost my liking for them. " (Professor Albus Dumbledore)
liking は名詞で「好み、好きであること」です。have a liking for 〜 は「〜が好きである」、take a liking for 〜 は「〜が好きになる」、そして lose a liking for 〜 は「〜が嫌いになる」です。
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Chapter 30 [02:15:40] "Ah, you see, only a person who wanted to find the stone, find it, but not use it, would be able to get it. That is one of my more brilliant ideas. And between you and me, that is saying something. " (Professor Albus Dumbledore)
only a person who wanted to find the stone find it
「石はそれを探し求めるものだけが見つけることができる。」
この部分は良いですよね。
but not use it would be able to get it.
最初の部分の only a person who がこの部分にもかかっていて、but only a person who do not use it would be able to get it です。
「石はそれを使わないものだけが得ることができる」
That is one of my more brilliant ideas
one of the 〜 や one of one’s 〜 という表現は英語では非常によく使います。結構な頻度で耳にすることでしょう。後に続く名詞は必ず複数形です。ここでは ideas (/aɪdɪəz/) です。
最後の /z/ は聞こえますか?音声は空気の振動でそれが耳の鼓膜に伝わって聞こえますが、それをどのように解釈するかは脳の働きです。鼓膜に伝わった空気の振動だけではなく、文法や文脈や常識などのいろいろな情報を加えて解釈をします。
空気の振動に /z/ がふくまれているかは曖昧ですが、ダンブルドア先生の脳は /aɪdɪəz/ としゃべっているしハリーにも間違いなく /aɪdɪəz/ と聞こえているはずです。文法を勉強することも大切ですし、なによりたくさんの英語を聞いて脳を鍛えることが必要です。
that is saying something.
「それはかなりのものだ、大したもんだ」という意味になります。曖昧でぼやかした表現で、「まあ、だろ?」といったドヤ顔の感じでしょうか。
校長先生が生徒に対して使うにしてはインフォーマルで口語的な表現ですが、まさに between you and me です。
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Chapter 30 [02:15:27] "He has enough elixir to set his affairs in order. But, yes, he will die. " (Professor Albus Dumbledore)
affairs はここではニコラス・フラメルの仕事であったり個人的な用事のことです。
Philosopher’s Stone は壊してしまったので elixir (不老長寿の薬) を作ることはもうできなくなってしまいましたが、ニコラス・フラメルが自分の用件を片付ける (set his affairs in order) ためには既に作ってきた分だけで十分な量があります。
ニコラス・フラメルはまだまだ長生きできますが、今ある elixir を使い切ってしまえば、やがて彼も一生を終えることになります。
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Chapter 30 [02:15:04] "Relax, dear boy. The stone has been destroyed. My friend Nicholas and I had a little chat and agreed it was best all round. " (Professor Albus Dumbledore)
all round: 全体的に
The stone has been destroyed.
英語のリズムには大分慣れてきたことでしょう。The ˈstone has been deˈstroyed. も The ˈstone was deˈstroyed. と同じく強勢は2箇所なので同じリズムで発音をします。has been は「ハズビーン」と発音しているとリズムに乗り遅れてしまいます。「ザストウナズベンデスチュロエド」のような感じで発音をします。
My friend ˈNicholas and ˈI ˈhad a little ˈchat and aˈgreed it was ˈbest all aˈround.
発音でちょっとだけ引っかかる箇所があるとしたら had a little chat の部分でしょう。little の /tl/ の部分は側面破裂を使います。/t/ を発音するために舌を歯茎に付けたら舌先は歯茎から離さずに舌の横側を破裂させて /t/ と /l/ を同時に発音します。「ハダレロ」のような感じです。
ダンブルドア先生とニコラスが会話をしたのは過去のことなので had a little chat と agreed は過去形です。it was best は agreed の内容を説明する「従属節」の文章なので、これも主節の agreed に時制を一致させて過去形にします。it はこの前の文章の the stone has been destroyed (石は壊した) のことで、石をなくしてしまうことが一番良かったことだということです。all around は「すべてのこと、万事に」です。
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Chapter 30 [02:14:46] "Ah, I see that your friend Ronald has saved you the trouble of opening your Chocolate Frogs. " (Professor Albus Dumbledore)
save the trouble: 手間を省く
save someone 〜 は「人から〜の手間を省く」というときに使います。「ロン (your friend Ronald) がカエルのチョコレートをすでに開けてしまって、ハリー (you) がそうする手間 (the trouble of opening your Chocolate Frogs) を省いてくれた (has saved)」ということです。
ロンがチョコレートの箱を開けたのは過去のことですが、その状態は続いているの現在完了形を使うことになります。
that your ˈfriend ˈRonald has ˈsaved you の部分ですが、完了形であることを示す has は機能語なので強勢はありません。/həz/ の /h/ は頻繁に脱落してしまう音で、ここでも発音していません。/z/ は次の saved の /s/ と一体化してしまいます。/z/ は弱音、/s/ は強音という違いがありますが、どちらも発音する場所と方法は同じで歯茎と舌先で作る摩擦音です。Ronald has saved は「ロヌルダセイヴダ」 (/ˈrɒnldəˈseɪvd/) のようになります。
「完了形」は日本語にはなくて難しい印象があります。また、音声的には過去形との違いはかすかに /ə/ があるかないかだけです。一方で日常の会話では非常によく使われています。頭で理解するだけではなくてたくさんの英語に接することで徐々にわかってくるようになりますし、「文脈からここは完了系だろう。」という想像が働くとそのように聞き取ることができるようになってきます。
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Chapter 30 [02:14:33] "What happened down in the dungeons between you and Professor Quirrell is a complete secret. So, naturally, the whole school knows. " (Professor Albus Dumbledore)
「地下室で君とクィレル先生との間におきたことは」 (What happened down in the dungeons between you and Professor Quirell) 「完全な秘密だ。」 (is a complete secret.) 「だから、当然、学校中が知っている。」 (So, naturally, the whole school knows.)
秘密と言われるほどみんな知りたがって噂は広まるようです。校長先生がこのセリフを当たり前に言うあたりがおしゃれです。
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Chapter 29 [02:11:19] "All I ask is for something in return. That's it, Harry. There is no good an evil. There is only power and those too weak to seek it. Together, we'll do extraordinary things. Just give me the stone. " (Voldemort)
All I ask is for something in return.
ひとつ前のセリフは We can bring them (your mother and father) back. (お前のお母さんとお父さんを連れ戻してやってもいいよ。) です。
このセリフは「そのお返しにちょっとだけ頼みたいものがある。」です。something の前の for は in return for (〜のお返しに) の for が前に出てきたものです。All I ask is 〜 (私が望むすべてのことは〜だ) は「たったこれっぽっちのことで両親を生き返らせてやるんだから悪い話じゃないだろ?」といったニュアンスです。
That’s it, Harry.
どうしてハリーのポケットから出てきたのでしょうかね?これが Philosopher’s Stone (賢者の石) のようです。それと両親を交換しようということですね。
There is only power and those too weak to seek it.
those はここでは一般的な「人」のことです。too 〜 to … は「あまりに〜で…できない」です。中学校で習いましたね。関係代名詞と be 動詞が省略されていて those who are too weak to seek it (power) は「弱くて権力を求めることができない奴ら」です。
ヴォルデモートくらいになってしまうと何を考えているんだかさっぱりわかりませんが、「権力なんて簡単に手に入れることができるのに、みんな臆病な奴らばっかりでそうしようとしない。」ということでしょうか。
extraˈordinary (/ɪkstəˈɔdənerɪ/) 特に後半の /ˈɔdənerɪ/ の発音が難しそうですね。
/dən/ の部分は /ə/ は発音していません。/d/ のために舌先を歯茎に付けたら離さずに鼻腔破裂を使って鼻から「ンン」と息を抜いてそのまま /n/ の発音をしてしまいます。
/ɔ/ は日本語の「オ」と「ア」の中間の音で「オア」と言う気持ちで発音をするとうまくいきます。その後は舌を歯茎につけて鼻から息を「ンン」と抜いて /nerɪ/ を言います。この部分は「オアンネレ」のような感じ、前半の /ɪkstə/ を付け足すと「エクスチュラオアンネレ」のようになります。
直後の Just give me the stone (/stoʊn/) の /oʊ/ は「オウ」ですが、日本人にとっては /ɔ/ と区別を付けるのに苦労をするようです。両方ともカタカナの「オー」に置き換えてしまうからでしょう。/ɔ/ は意識的に「オア」と言うようにしておいたほうが違いを身につけることができるようになるはずです。
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Chapter 29 [02:10:46] "Don't be a fool. Why suffer an horrific death when you can join me and live?" (Voldemort)
horrific: 恐ろしい、ぞっとするような
Why ˈsuffer an horrific ˈdeath when you can ˈjoin me and ˈlive?
まず後半の when 以下です。when は although に置き換えることができ、「〜にも関わらず」です。when you can join me and live の部分はどちらかと言うと仮定法で「私の仲間になって生きることができるのにも関わらず」です。
次に前半部分ですが why suffer の部分には do you が省略されています。suffer はここでは苦しいことをあえて選んで受け入れることです。horrific は「恐ろしい、ゾッとするような」という意味で death を修飾します。why do you suffer an horrific death? は「なんで苦しんで死のうとするんだ?」です。
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Chapter 28 [02:08:06] "Very good, Potter, yes. Snape, unfortunately, wasn't fooled. When everybody else was running about the dungeon, he went to the third floor to head me off." (Professor Quirrell)
head off: くい止める、阻止する
When everybody else was running aˈbout the ˈdungeon, he ˈwent to the ˈthird ˈfloor to ˈhead me ˈoff.
後半が早口で聞き取りにくと思います。「ホエネヴェリバデルスワズラネンガバウトザダンジョヌ ヘウェントゥザサドフロアトゥヘメアフ」のような感じです。
head off は先回りをしてさえぎることを意味します。「他のみんなが地下室で駆け回っていたとき」(When everybody else was running about the dungeon)、「スネイプは3階に行って」(he went to the third floor) 「私の邪魔をした。」 (to head me off.) です。
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Chapter 28 [02:08:00] "I knew you were a danger to me right from the off. Especially after Halloween. " (Professor Quirrell)
danger: 危険の原因となるものfrom the off: 最初から
from the off は「最初から」です。from the beginning と同じ意味です。
その前の right は強調をするためのもので、「最初にひと目お前を見たときから」、「お前の噂を聞いたときから」というニュアンスになります。
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Chapter 28 [02:07:44] "No, dear boy. I tried to kill you. And trust me, if Snape's cloak hadn't caught fire and broken my eye contact, I would have succeeded. Even with Snape muttering his little counter curse. " (Professor Quirrell)
curse: 呪いの呪文
if ˈSnape’s ˈcloak ˈhadn’t ˈcaught ˈfire and ˈbroken my ˈeye ˈcontact, ˈI ˈwould ˈhave sucˈceeded.
「もしもあのとき〜でなかったなら」と「過去にああなってしまったけれども、もしもそうでなかったなら」という場合は仮定法過去完了を使います。
「スネイプのマントに火が点いてスネイプは俺の視線を外してけれども、もしもそうでなければ」、つまり、「スネイプのマントに火が点いたりしないで俺の視線を外したりしなければ」です。
I would have + 動詞の過去分詞 で「〜したはずだけれどもそうはならなかった」という意味になります。「成功していたはずなんだが」、つまり、「おまえ (ハリー) を殺すことができていたはずだ」です。
クィレルはかなり強い気持ちでこのセリフを話していて、たくさんの単語に強勢を置いています。そのためですが、このセリフを真似るためには強勢を置かない部分をうまくサボることが大切です。「イフスネイプスクロウカドゥンコアトファイアンブロウケマエアエコンタトアエウォダヴサクシデド」のようになります。
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Chapter 28 [02:07:30] "Yes. He does seem the type, doesn't he? But next to him, who would suspect, p-p-p...poor st-t-t-t-t...stuttering Professor Quirrell?" (Professor Quirrell)
stutter: どもる
クィレル先生のこのセリフで he はスネイプ先生のことです。
Yes, he does seem the type, doesn’t he?
「スネイプはそういうふうに見えるよ、だろ?」
「そういうふう」というのは「賢者の石」を欲しがって、ハリーの邪魔もすることです。
But next to him, who would suspect, p-p-p…poor st-t-t-t-t…stuttering Professor Quirrell?
stutter は「どもる」です。
「どもりのクィレル教授なんで誰が疑うんだ?」
もちろん、「クィレル教授を疑うやつなんでいるわけがない。」ということです。next to him は「スネイプを差し置いて」です。
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Chapter 27 [02:04:24] "Do you want to stop Snape from getting that stone or not? Harry, it's you that has to go on. I know it. Not me, not Hermione, you. " (Ron Weasley)
Do you want to ˈstop ˈSnape from ˈgetting ˈthat ˈstone or ˈnot?
want to (「〜したい」) はよく /wənə/ (「ワナ」) のように短縮して発音されます。とりあえずは want to と going to の2つだけはよく使われるので特殊なものだと覚えてしまってください。I wan to は「アワナ」で I’m going to は「アムガナ」のようになります。
この文章は強勢がたくさんあるので強勢のある音も速く発音している印象があります。that は機能語なので普通は強勢を起きませんが、ただの石ではなくて「あの石」のことを言いたいので強勢をおいて強調をしています。「ドゥユワナストプスネイプフロムゲリンザツトウナナト」のようになります。
stop … from 〜ing は「…が〜するのをやめさせる」です。
Do you want 〜? の最後に or not を付けると「〜したいの?したくないの?」という感じなになりますが、「したいか、したくないか」を本当に聞いているわけもはなく、反語的に「そんなわけないだろ?」と no と言いづらいように強調をしているわけです。
「スネイプにあの石を取らせたくないんだろ?」です。
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Chapter 27 [01:58:40] "They are not birds. They are keys. And I'll bet one of them fits that door. " (Harry Potter)
And I’ll ˈbet one of them ˈfits that ˈdoor.
強勢を置くのは内容語である動詞と名詞の bet、fits、door の3箇所です。
最初の And I’ll bet の部分は「エンダイルベ」のようになります。
of は機能語の中でも特に曖昧に発音されて /ə/ になってしまいます。/əv/ のように /v/ を発音する必要はありません。かえって不自然になるので、思い切って普段は「ア」と発音してよいでしょう。
one of them の部分は「ワナゼン」です。「ン」は唇を閉じた「新橋」の「ン」です。
that door の部分は that の最後の /t/ は破裂させません。次は破裂音の /d/ から始まり破裂音が連続するからです。「ザドア」です。
「エンダイルベワナゼンフェツザドア」のようになります。
bet は「賭ける」です。勝ち負けのスリルを味わいたいわけではなく、勝つ自信があるのです。自分が絶対に正しいと思うときに使います。「あの鍵の一つがドアにピッタリとハマるんだ。」です。
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Chapter 26 [01:57:47] "Um, devil's snare, devil's snare, it's deadly fun, but will sulk in the sun. That's it. Devil's snare hates sunlight. Lumus Solem." (Hermione Granger)
sulk: 不機嫌になる、ふくれる、すねる
devil’s snare (「悪魔のわな」) は架空の植物です。
snare は「わな」で、地面に置いてこれを踏んだ鹿やイノシシなどの足を引っ掛けて捕まえる仕掛けで縄やバネでできています。「スネアドラム」というのはコイル状のものを膜に接するように張っていますが、そのコイル状のものが「スネア」です。
it’s deadly fun (とても陽気) ですが but will sulk in the sun (陽に当たると不機嫌になる) です。
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Chapter 26 [01:55:20] "Snape's already been here. He's put a spell on the harp. " (Harry Potter)
ˈSnape’s already ˈbeen here.
Snape’s は Snape has を短縮したもので、これは現在完了形文章です。「スネイプはもうここに来たんだ。」です。
been はここではやや強く発音をしていますが、それでも /bɪn/ です。「ビーン」ではなくて「ベン」のような感じです。普通は強く発音をすることはなく/bən/ です。「スネイプズオルレデベンヘア」のような発音になります。
He’s ˈput a ˈspell on the ˈharp.
これも現在完了形の文章で He’s は He has を省略したもので、put は形を変えていませんがこれは過去分詞形です。put a spell は「魔法をかける」です。
強勢を置くのは動詞の put と名詞の spell、harp で、「ヘズプタスペロンザハプ」のような発音になります。
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Chapter 25 [01:53:24] "You want to be careful. People will think you are...up to something." (Professor Snape)
up to はここでは「たくらんでいる、なにかしようと計画をしている」です。どちらかというと良くないことを目論んでいるときに使います。
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Chapter 25 [01:53:00] "That was no stranger Hagrid met in the village. It was Snape, which means he knows how to get past Fluffy. " (Harry Potter)
That was no stranger Hagrid met in the village.
That was not a stranger Hagrid met in the village. というのと何が違うかと言うと、難しいことを言えば no は形容詞で名詞の stranger を修飾するのに対して not は副詞で前の be 動詞にかかって否定文を作ります。no stranger というときは不定冠詞の a は入りません。
意味はどちらもそんなに違いはしないのですが、たとえば
I have no idea what you are talking about.
と no を使ったほうが
I do not have any idea what you are talking about.
と言うよりも感情的で語気が強くなります。喧嘩をしていて「何いってんだ、おまえ?」というようなときは前者のほうが近くなります。
stranger と Hagrid の間には関係代名詞 whom が省略されています。「ハグリッドが村であったのはよそ者なんかじゃない。」です。
It was Snape, which means he knows how to get past Fluffy.
which means that は「つまり、【that 以下】ということだ」という意味です。which は it was Snape を置き換えるものです。「あれはよそ者なんかじゃくてスネイプだったんだ。つまり、スネイプはフラフィを通り過ぎる方法を知っていたんだ。」です。
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Chapter 25 [01:52:42] "I don't know how you three found out about the stone but I assure you it is perfectly well-protected. Now, would you go back to your dormitories, quietly?" (Professor McGonagall)
I ˈdon’t ˈknow how you three ˈfound out about the ˈstone but I ˈassure you it is ˈperfectly well-proˈtected.
how you three の部分は強勢がないので「ハユスリ」のような発音になります。
つづく found out about the stone の部分で強勢があるのは動詞の found と名詞の stone です。その他の部分は強勢がないので弱く早く発音するので「ファウンダウタバウザストウヌ」のようになります。stone の最後の /n/ は舌を歯茎に付けます。
perfectly (/pərfɪktlɪ/) の /k/ は破裂させず喉で息を止めるだけで、次の /tl/ は「側面破裂」を使います。
protected (/prətekted/) の /prə/ は唇を閉じたときに舌は /r/ の位置に置き、破裂させて息が外に流れたときが /r/ の音になります。リズム的には「プロ」ではなく「ポ」です。/tekted/ の部分は /k/ は次も破裂音の /t/ が来るので喉で息を止めるだけで破裂させません。そこで「ポテデデ」のようになります。ちなみに最後の /d/ を発音するときは前の母音につられて口は「エ段」の形になっていて「デ」のようになります。
全体では「アイドウンノウハユスリファウンダウタバウザストウヌ バタイアシュアユイテズパフェットリウェルパテデデ」のような発音になります。
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Chapter 25 [01:51:53] "But I told him, I said...I said, "The trick with any beast is to know how to calm him. Take Fluffy for example, just play him a bit of music and he falls straight to sleep."" (Hagrid)
just play him a bit of music and he falls straight to sleep. の部分が聞き取りにくいかもしれません。
play は /p/ のために唇を閉じたときに舌を歯茎に付け、/p/ を破裂させてたときに口の外に流れる空気が舌の横を通ることで /l/ の音になります。リズム的には「プレイ」ではなくて「ペイ」に近いです。
その前の just は最後の /t/ は破裂させず「ジャス」のようになります。次が /p/ で破裂音が連続するので、前の破裂音は破裂させないためです。
him の /h/ は脱落します。bit of の /t/ は「ラ行」の音で、of は /f/ を発音させずに /ə/ だけになります。
そして and は /n/ だけになります。
just ˈplay him a bit of ˈmusic and までを連続させると「ジャスペイエマベロミュゼケン」のようになります。
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Chapter 25 [01:51:44] "Did he seem interested in Fluffy? " (Harry Potter)
Did he ˈseem ˈinterested in ˈFluffy?
はじめの Did he の he の /h/ の音は脱落してしまいます。すべての単語が連続して発音されるので「ディディスィメンチュレスレディンフラフィ」のように発音します。
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Chapter 25 [01:51:32] "The stranger, though, you and he must have talked. " (Harry Potter)
「must have + 過去分詞」は「〜したに違いない」です。「想像」には違いはないのですが、「実際にそういうことが起きた」ということにかなりの自信を持っているときです。
you and he must have talked. は本人に向かって言っているわけですし、「その人と話をしたんだろ?」という感じです。
and はいつも「アンド」と発音するわけではありません。機能語なので弱く短く雑に発音されることが多く、/ən/ とか /n/ と発音することがよくあります。ここではほとんど /n/ です。そして、次の he の /h/ もほとんど脱落しています。must have も機能語で「マスタブ」のような発音になります。全体的には「ユニマスタブトアクト」のような発音になります。
最初の The stranger, though, は付け足しのような、言いかけて口ごもってしまったようなもので、あえて日本語にするなら「でも、その人…、」くらいでしょう。
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Chapter 25 [01:51:02] "Don't you think it's a bit odd that what Hagrid wants more than anything is a dragon, and a stranger turns up who just happens to have one?" (Harry Potter)
ˈDon’t you ˈthink it’s a bit ˈodd?
この部分は「それって少しおかしいと思わないか?」です。そして「それ (it)」は that の後ろのことです。
Don’t you (/dəʊntjə/) の部分は /n/ が鼻に息を抜く音で、そのまま鼻の方に息を流しながら次の /tjə/ を発音しているため「ドウンニュ」のように聞こえます。全体は「ドウンニュセンケツァベトオド」のようになります。
that what ˈHagrid ˈwants more than ˈanything is a ˈdragon
that に続く部分の前半は「ハグリッドが何よりも欲しがっているのはドラゴンだ」です。what は関係代名詞で the thing which に置き換えて the thing which Hagdid wants more than anything is a dradon とするとわかりやすいかもしれません。
早口なので単語が連結して発音されて「ザワラグリドワンツモザンエネセンゲザジュラゴン」のようになります。
and a ˈstranger turns ˈup who just ˈhappens to ˈhave ˈone
that に続く後半部分は「そして見知らぬ人が現れて、そいつが偶然のもドラゴンを持っている」です。ハグリッドはドラゴンを欲しがっていて、そこにドラゴンを持った人が偶然に現れるなんて話が出来すぎている、偶然じゃなかったんだということです。
前半に比べると聞き取りやすいかもしれません。「エナストレンジャタンザプ フジャスタハプンズトゥハヴワヌ」のようになります。have はここでは「持っている」という動詞で内容語です。強く発音をします。
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Chapter 25 [01:50:33] "Speak for yourself. All right there, Harry?" (Ron Weasley)
Speak for yourself. は「何を言っているんだ」とか「勝手に言ってろ」という感じです。「おまえが言っているのはおまえの意見であって、私も他の人も同じだとは思わないでくれ」というニュアンスがあります。
All right there の there には特には意味はありません。人の注意を引くときによく使われます。Hello, there. とか Hi, there. とかは「よう」とか「おい」とか「ねえ」のように声をかけるときに使います。
Harry Potter and the Philosopher's Stone
Chapter 25 [01:50:26] "I'd always heard Hogwarts' end-of-year exam were frightful. But I found that rather enjoyable. " (Hermione Granger)
I’d always ˈheard ˈHogwarts’ end-of-year ˈexam were ˈfrightful.
I’d は I had を省略したもので、この文章は過去完了形です。今は試験を実際に経験したのでそうではないことがわかったが、それまで、つまり過去は「ずっと」恐ろしいものだと思っていたので単なる過去形ではなく過去完了形になっています。
end-of-year はこれで形容詞です。end-of-year (年度末の) exam は「期末試験」です。
a three-year-old boy (3才児) の three-year-old なども形容詞です。good-looking guy とか long-lasting engine oil など、ハイフンでつないで形容詞として使うことがよくあります。ちなみに、「あの子は3才だ。」は He is three years old. で、このときは year は複数形の years になります。
But ˈI ˈfound that rather enˈjoyable.
that は試験のことで、「恐ろしいものと言うよりも楽しいものだということがわかった。」です。
多分、「他の人のことは知らないけれど私には」という気持ちがあるので、I もやや強く発音をしています。
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Chapter 25 [01:49:59] "And to think, I've been worrying about my Potions final." (Ron Weasley)
And to ˈthink, I’ve been ˈworrying about my ˈPotions ˈfinal.
and to think は「考えてみたら」とか「そういや」というような感覚です。
Potions はホグワーツの「魔法薬学」なので final はその期末試験です。
I’ve been はよく使います。強勢はないので「アエベン」のように発音します。全体では「アントゥセンク アエベンウォリインガバウマイポウションズファイヌル」のような感じです。