I-01-0900

Harry Potter and the Philosopher's Stone


Chapter 1 [00:02:10] "Professor Dumbledore, sir. Professor McGonagall." (Hagrid)


sir

/ɚ/

sir をハグリッドは // のように発音をしています。

/ɚ/ の代わりに /ər/ と表している辞書があるかもしれません。しかし、これは /ə/ の次に /r/ を発音するわけではありません。表し方は /ɚ/ であれ /ər/ であれ、音声は /ə/ とも /r/ とも異なるものです。

/ɚ/ は日本語にはない音です。舌は宙に浮いた状態でその位置と形を調整しながらこの音が出るように練習をしなければなりません。DVDと自分の声を聴き比べながら /ɚ/ の音が出る位置を探してください。

舌先は /rの位置、すなわち、「チュ」という音を出す口の形から口を開いて舌は歯茎から離してやや下に落としたところです。

この時、舌の後ろの方は下がっていて舌先に向かって反り上がっていると思います。その舌の後ろの方を持ち上げて舌を平らにすると /ɚ/ になります。舌の両横のヘリを奥歯に触れるようにすると良いかもしれません。

/ɚ/ /ə/

bird, certain, driver, early, were, worry など /ɚ/ は発生する頻度の非常に高い音声です。

ただし、それは「アメリカ英語」の場合です。自分はアメリカ人の英語をモデルにしたいと思うなら、/ɚ/ をきれいに発音できるように練習しましょう。

英語は世界中で使われている言語で地域ごとのバリエーションや方言がたくさんあります。それぞれに優劣があるわけではありませんが、英語を勉強するときはどれでも構わないので手本にするバリエーションを最初に一つ決めて、それに習うのが良いでしょう。

我々は外国人ですので、結果的にいろいろな方言が混ざってしまっても、たとえどの方言にもない自己流英語になってしまってもそれは構わないと私は思っています。どんな英語であっても使わないよりは使えたほうが良いです。

一方で、英語の音声を日本語の枠組みで理解しようとするよりはスタンダードになる英語の枠組みを自分の脳の中に作ったほうが音声による英語のコミュニケーションをしていく上では役に立つとおもいます。それが「アメリカ英語」であっても「イギリス英語」であっても他でも構わないのですが、実際に使われている言葉をモデルにしたほうが聞き取る方も伝える方もコミュニケーションは容易になるはずです。

「イギリス英語」では /ɚ/ の代わりに /ə/ を使います。「イギリス英語」では /ɚ/ は使いません。

「ハリー・ポッター」はイギリスが舞台の物語なので、登場人物のほとんどは「イギリス英語」を喋ります。ダンブルドア先生もマクゴナガル先生も Professor /prəfesɚ/ ではなく /prəfesə/ と発音しています。

ハグリッドはアメリカ英語を話しているわけではありません。ハグリッドには訛があり、結果として // のような発音になってしまっています。

「イギリス」と言った場合は普通は「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国」を指しますが、この範囲で話している英語が「イギリス英語」というわけではありません。

日本語にもいろいろな方言があるように、「イギリス」で使われている英語にもいろいろなバリエーションがあるだろうことは容易に想像がつきます。

「イギリス英語」といった場合は普通はイングランドの南の方で使われている RP (Received Pronuciatin) と呼ばれる英語のことを指します。NHK のアナウンサーが話す日本語を「標準語」と呼び、東京近郊で使われる日本語を標準と考えるようなものです。

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