Harry Potter and the Philosopher's Stone
Chapter 1 [00:02:16] "No, sir. Little tyke fell asleep just as we were flying over Bristol. Try not to wake him. There you go. " (Hagrid)
tyke: こどもLittle tyke fell asleep just as we were flying over Bristol.
「ブリストルの上空を飛んでいる時」(just as we were flying over Bristol)、「この子は寝ちゃいました」 (Little tyke fell asleep)。
この文章で強勢が置かれているのは “tyke”、”fell”、”asleep”、”flying”、”Bristol” の5つの単語です。
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Little ˈtyke |
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ˈfell |
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asˈleep |
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just as we were ˈflying |
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over ˈBristol. |
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/ |
lɪtlˈtaɪk |
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ˈfel |
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əˈslip |
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dʒəstəzwiwəˈflaɪŋ |
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oʊvəˈbrɪstl |
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リズムは「レトルタエ(ク)フェラスリ(プ)ジャスタズウィワフラエンコ゜バブレストル」のような感じです。
little
ここで説明するのは /tl/ の部分で「側面破裂」という技です。
/t/ は舌先で破裂をさせるイメージがありますが、/l/ の前では舌の左右両方の横側で破裂をさせます。
/t/ のために舌を歯茎につけてプレッシャをかけたところから、舌先は歯茎につけたまま舌を反り返した /l/ の形を作ります。/t/ から /l/ の形を作るときに舌の両側が歯茎から離れて空気の通り道ができますが、このときに舌の左右の横側で /t/ の破裂する音を出します。
Bristol の /tl/ も同じ要領です。
tyke
「パ」行、「タ」行、「カ」行の子音は無声音、「バ」行、「ダ」行、「ガ」行の子音は有声音という分類をしますが、英語では日本語の無声音に相当する子音を「強音」、有声音に相当する子音を「弱音」と分類することがよくあります。「強音」は文字通りエネルギーの強い音だからです。
/p/ もそうでしたが /t/ も破裂をさせた後、次の母音が現れるまでの間に空気が流れる時間を作ります。声帯が震えているかそうでいないかというよりも、この空気の流れる時間の有無のほうが /t/ と /d/ の区別には大切です。[thaɪk] (「タハイク」) というようになります。
fell
/f/ は上の前歯と下唇で摩擦をさせる音です。日本語にはない音ですが出すこと自体はそれほど難しくはないと思います。「フ」のように上下の唇ではなく、無意識に上の歯と下唇を使ってしまうようにクセをつけるのには多少時間がかかるかもしれません。
これも「強音」です。/f/ の音を十分に響かせた後で /el/ と言うようにしましょう。英語と日本語の違いなのですが、英語の「強音」は日本語のいわゆる「無声子音」よりもかなり強く発音されます。日本人は意識して強く発音をしなければなりません。
flying の /f/ も同じです。/f/ の音を十分に響かせた後で /laɪŋ/ と言いましょう。
Try not to wake him.
強勢は “try”、”not”、”wake” の3箇所です。
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ˈTry |
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ˈnot |
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toˈwake him |
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/ |
ˈtraɪ |
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ˈnɒt |
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təˈweɪkhɪm |
/ |
not は強勢を置く単語です。not は必ず強く発音するようにしましょう。
There you go.
「はい、どうぞ。」
人に物を渡すときの決まり文句です。ほかに ”Here you go.” など同じように使われるものがいくつかあります。人に何か手渡すような状況になったとき、黙って差し出すだけなのも無愛想なので、ぜひ、”There you go.” と言ってください。