Harry Potter and the Philosopher's Stone
Chapter 14 [00:57:10] "Did you see his face? Maybe if the fat lump had given this a squeeze, he'd have remembered to fall on his fat ass." (Draco Malfoy)
give a squeeze: ぎゅっと握りしめるlump: ばか、あほ、まぬけ
Chapter 14 は仮定法の教科書のようです。
次は「仮定法過去完了」です。「仮定法過去」は現在の事実と異なることの仮定・想定であったのに対し、「仮定法過去完了」は過去の事実と異なることの仮定・想定です。平たく言えば「あの時〜していれば」ということです。条件節は 「if + 主語
+ had + 過去分詞」、主節は「主語 + would have/should have/could have/might have + 過去分詞」という形式をとります。主節は特に難しそうですが、所詮はこの4種類くらいしかありません。
would have |
「ウラヴ」 |
〜だったろう |
should have |
「シャラヴ」 |
〜してしまっているだろう |
could have |
「クラヴ」 |
〜できたのに |
might have |
「マラヴ」 |
〜だったかもしれない |
「should have + 過去分詞」は最初のダンブルドア先生のセリフでやりましたね。普通の肯定文では動詞が一つのところ、その前に2つも余計に単語を入れ込まなければなりません。ところが普通の肯定文と同じリズムで発音しなければなりません。would have/should have/could have/might have は短く発音しなければならないため曖昧になります。have の /h/ は脱落し、助動詞の最後の /d/, /t/ は「ラ行」のような音になります。
ˈMaybe if the ˈfat ˈlump had ˈgiven this a ˈsqueeze
「もしかしたら、あのデブのバカがこいつをギュッと握ってたら」
had を聞き取るのは難しいでしょう。最初の /h/ は脱落しています。そして、最後の /d/ も次が /g/ なので破裂させません。結果として「ア」だけが僅かに弱く残るだけです。文脈が仮定法ですし次の動詞が given なので、そういう情報を重ねることでネイティブスピーカの脳では「ア」が had と識別されるのでしょう。
「メイビフザファランパゲベンデサスクイズ」のようになります。
he’d have reˈmembered to ˈfall on his ˈfat ˈass.
「ヤツのでかいケツで尻もちをつくことを思い出していたことだろう。」
he’d have は he would have の省略です。この部分も非常に聞き取りにくいと思います。
発音は「ヘラヴレメンバトゥフォロネズファアス」のようになります。